情報セキュリティ緊急対応ガイド【汎用】
■緊急対応(自然災害, 大火災, 感染症, テロ, , ,)
事象の検知、報告受付(Detect)
事実確認、対応の判断 被害の局所化(拡大防止)(Triage)
- 該当システムをただちにネットワークから切り離し、使用を中止する。
- 被害の範囲を確認し、使用を停止する
緊急連絡
原状保全
- 原因調査のためにサーバ、PC内のファイルをバックアップし保存する
原因調査
- なぜ情報セキュリティ侵害が起きたか?
- サーバ、PC内のファイルに改ざんされたものがないか、本来存在しないファイルがないかを確認する
- サーバのログ等を確認して、通常でないファイル転送、アクセス等を確認する。
早期復旧・事業継続 (Respond)
- 確認できた事象に対する再発防止のための改善策を、システム管理者の指示に従って、適切な復旧を行う。
恒久的対策(再発防止策)
- インシデントからの知見の学習
- ルールの再確認
- 事業継続計画、情報セキュリティポリシー
- 緊急時対応、人的、管理的、物理的、技術的対策の内容の確認と是正
- 情報セキュリティ侵害の原因の多くが、人為的なミスもしくは悪意によるもの。
- 最低限守るべきルールを明確にして、それを守らせることが重要。
通常運用
- 平時からの実施状況の確認(監査)
■情報セキュリティ対策の必要性
- ITを活用してどんなに利便性の高いサービスを提供しても、どんなに業務を効率化しても、緊急事態(自然災害、大火災、感染症、テロ、セキュリティ侵害、、)が発生して、事業資産(人・もの(情報及び設備)・金)、社会的信用が失われ、早期復旧ができない場合は、事業の継続が困難になり、組織の存立さえも脅かされる可能性がある。
- どんな緊急事態が発生しても、事業を継続できるようにする対策を明示しておくことが必要
- 情報セキュリティ対策は、事業継続計画の一つ
- サービスの向上を図るために、情報資産(保有情報(媒体に依らず)、情報機器、情報システム)に対する情報セキュリティ上のリスクを低減させる
- ITを活用したサービスの構築・運用に掛かる費用は、経費ではなく先行投資。リスクに見合った情報セキュリティ対策は、サービスの構築・運用の中で実施すべき先行投資であり、緊急事態が発生した後に対処する経費として想定してはいけない
■情報セキュリティ対策の基本
情報セキュリティ侵害とは
- 機密性、完全性、可用性が損なわれること
- 全ての人は当事者
- 誰しも被害者になる。また、知らぬうちに加害者にもなる
脅威・手口を知る(10大脅威2016簡易説明資料(組織編))
情報資産の認識
- 取り扱われる情報資源の格付け(機密性、完全性、可用性が損なわれた場合の経済的、社会的損害の大きさ)のレベル等に応じた重要度を認識する
リスク分析
- リスク=情報資産に対する脅威(侵害する行為の発生頻度)×情報資産の重要度(機密性レベル+完全性レベル+可用性レベル)×脆弱性(実際に侵害が起きる可能性)
対策はリスクの高いものを優先する
恒久的対策
- 定期的なバックアップ
- ランサムウェア等を含めた対策
- バックアップ媒体は、取得後、ネットワークから切り離す
- ルールの策定
- 事業継続計画(BCP)の策定
- 情報セキュリティポリシーの策定
- 人的、管理的、物理的、技術的対策
- フールプルーフ対策
- 人間が間違えても危険にならない仕組みにしておく
- フェールセーフ対策
- 機械が壊れても危険にならない仕組みにしておく
- ルールの遵守
- 情報セキュリティポリシーの遵守
- 実施手順の遵守(情報セキュリティ対策9カ条)
- OSやソフトウェアは常に最新の状態に
- パスワードは貴重品のように管理
- ログインID・パスワードは絶対に教えない
- 身に覚えのないファイルは開かない
- ウイルス対策ソフトを導入
- ネットショッピングは信頼できるお店で
- 大切な情報は失う前に複製
- 外出先では紛失・盗難に注意
- 困ったときは一人で悩まず相談を