中小企業サイバーセキュリティ対策関連の情報の備忘録

CyberSec diary

サイバーセキュリティ対策として、特に中小企業、個人でも考慮すべき対策にフォーカスした情報の備忘録です。

【ニュース】中小企業のセキュリティ対策に支援策、10団体が共同実施

www.itmedia.co.jp

IPAの「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」の実践をベースにした2段階の取り組みを示すマークが設定され、IPAが宣言を受け付ける。宣言した企業は、段階に応じたマークをWebサイトや名刺などに掲出できるという。

 

【ニュース】「セキュリティができる会社とできない会社に分かれる理由」

「セキュリティができる会社とできない会社に分かれる理由」
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1701/13/news010.html

啓発活動を行う側で意識を共有しておいたほうがいいと思われる内容です。

 経営者の意識は、ますます二極化されていくと思われますが、TVや新聞報道などで様々な形でサイバーセキュリティの脅威と被害事例が報道されているにも関わらず、対岸の火事だとか、セキュリティ対策のお金がないと言っている経営者は、一度危うい目に遭わないとわからないのでしょうか。

 ~~~以下、記事の抜粋~~~
●「ある一面」「局所的」な防御策では、別の局面での穴を空けることができれば、それで攻撃の目的を成し遂げられる。防御側には全方位での対策が求められる。
・個別具体的な対応は、それぞれの企業の環境やカルチャー、ネット環境、システム構成、組織、経営側の認識などの要素によって違うが、大よそ求められる取り組みは同じ。

●2017年に見直すべきセキュリティ対策の内容とは?
・情報セキュリティに投入するお金は、「経費」ではなく「戦略的投資」と考えて事業計画を構築してほしい。
・いまや情報セキュリティを考慮せず事業を計画することは、あり得ない。
・経営者には「安心・安全」を保持するために必要な金額をできだけ抑えるというさじ加減が求められる。
・CSIRTの設置が普及してきたが、NISCなどが2012年に、「情報セキュリティ対策のための統一基準群」として記載したのが大きなきっかけとなった
 ・「攻撃対象になりづらい」体制にしておくことが必要。万一攻撃されても被害を極小化、無害化することが重要。⇒そこで効果的なのがCSIRT。
・最も改善すべきは経営者であり、経営者はその事実を認めないといけない。

●2017年は情報セキュリティを理解する経営者と理解しない(できない)経営者に、二極化していくだろう。

重要インフラ・大企業向けサイバーセキュリティ対策

●重要インフラの情報セキュリティ対策に係る第3次行動計画の見直しに向けたロードマップ(案)【NISC】

●サイバーセキュリティ経営ガイドライン【2016年12月METI】

●サイバーセキュリティ経営ガイドライン解説書【2016年12月IPA】

 

政府機関等向けサイバーセキュリティ対策

■NISC第9回会合(持ち回り開催)【平成28年8月31日NISC】

【ニュース】サイバーセキュリティ経営ガイドラインの改訂版(Ver 1.1)の公開

http://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/downloadfiles/CSM_Guideline_v1.1.pdf

サイバーセキュリティ経営ガイドラインの改訂版(Ver 1.1)が12月8日付けで、METIのWebサイトで公開されました。

特にVer1.0との差分資料は、変更履歴がわかる形で掲載されており、政府としての現状認識、対策、用語の使い方等の見直しの方向性がわかるので、変更履歴の部分だけでも一読の価値があると思います。

■サイバーセキュリティ経営ガイドライン【2016年12月METI

http://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/mng_guide.html

■サイバーセキュリティ経営ガイドライン解説書【2016年12月IPA

http://www.ipa.go.jp/security/economics/csmgl-kaisetsusho.html

【ニュース】過少と過剰で揺れるセキュリティ対策、求められる「原価」の発想(2016/11/24 日経コンピュータ)

http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/column/14/531236/112100070/

セキュリティ関連も含めたシステムの費用は、会計上もデジタルビジネスにおける原価となるが、「セキュリティは重要」と言われるわりには、企業のセキュリティ関連投資が進まない企業と、デジタルビジネスなどの取り組みに支障をきたすほどセキュリティ対策を厳格に行う企業の両極に分かれている。

「セキュリティはビジネスにとっての原価」として、会計上はセキュリティ対策費が原価に計上されたのに、中小企業の経営者は、その原価の費用対効果を認識せずに、過小もしくは過大なセキュリティ対策投資をしていることに関して、両極のそれぞれの企業実態に応じた意識改革の啓発活動が必要ではないでしょうか。

各種ガイドラインでの対策ポイントの抜粋

各種ガイドラインでの対策ポイントの抜粋

各種ガイドラインでの対策ポイントの抜粋

■脅威の現状(マイクロソフト)

 1/3

  3 社に 1 社は、ライセンスが付与されていないソフトウェアの入手およびインストール時にマルウェアが見つかっています。(The Software Alliance (BSA | ザ・ソフトウェア・アライアンス) 調査)

 200 日以上

  侵入されてから、マルウェアを発見するまで 242 日かかっています(中央値)。(McKinsey & Co. 高度ネットワーク社会で出来ることとそのリスク: 企業への示唆 2014 年 1 月)

 4.2 億円

  データ侵害に対する平均的なコストは 4.2 億円にのぼり、生産性低下など試算すると 360 兆円に達します。(McKinsey & Co. 高度ネットワーク社会で出来ることとそのリスク: 企業への示唆 2014 年 1 月)

 90%

  企業の 7 割はセキュリティ事故を経験、また 9 割は未知の脅威が侵入済みです。(トレンドマイクロ IT Japan 2015 2015 年 7 月)

■中小企業経営者向け

 ■経営者が認識する必要な「3原則」(中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン(第2版))

  原則1 情報セキュリティ対策は経営者のリーダシップのもとで進める

  原則2 委託先における情報セキュリティ対策まで考慮する

  原則3 情報セキュリティに関する関係者とのコミュニケーションは、どんなときにも怠らない

 ■企業 として実施する「重要7項目の取組」(中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン(第2版))

  取組1 情報 セキュリティ に関するリスクを認識し組織全体での対応方針を定める

  取組2 情報セキュリティ対策を行うための資源(予約、人材など)を確保する

  取組3 情報セキュリティのリスクを把握し、どこまで情報セキュリティ対策を行うのかを定めたうえで担当者に実行させる

  取組4 情報セキュリティ対策に関する定期的な見直しを行う

  取組5 業務委託する場合や外部ITシステムやサービスを利用する場合は、自社で必要と考える情報セキュリティ対策が担保されるようにする

  取組6 情報セキュリティに関する最新動向を収集する

  取組7 緊急時の社内外の連絡先や被害発生時に行うべき内容について準備しておく

 ■セキュリティポリシー策定項目(中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン(第2版))

  1 組織的対策

  2 人的対策

  3 情報資産管理

  4 マイナンバー対応

  5 アクセス制御及び認証

  6 物理的対策

  7 IT機器利用

  8 IT基盤運用管理

  9 システムの開発及び保守

   社内でシステム開発を行う場合

  10 委託管理

   業務委託を行う場合

  11 情報セキュリティインシデント対応及び事業継続管理

  12 社内体制図

   従業員数2名以上

  13 委託契約書サンプル

   委託先と秘密情報や個人情報等の重要な情報の授受が発生する場合

 ■緊急時の対応(中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン(第2版))

  ① 緊急時における 指揮命令と対応の優先順位決定

  ② インシデントへの対応(インシデントレスポンス)

  ③ インシデントの影響と被害分析

  ④ 情報収集と自社に必要な情報の選別

  ⑤ 社内関係者への連絡と周知

  ⑥ 外部関係機との連絡

 ■情報セキュリティ 5か条(中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン(第2版))

  ソフトウェアはつねに更新しよう

  機器に応じたマルウェア対策をしよう

  パスワードなど、認証を強化しよう

  業務に使うすべてのサービスの設定を見直そう

  脅威や攻撃の手口を知ろう

 ■サイバーセキュリティ経営の3原則 (サイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver 1.0【METI】)

  (1)経営者は、IT活用を推進する中で、サイバーセキュリティリスクを認識し、リーダーシップによって対策を進めることが必要

  (2)自社は勿論のこと、系列企業やサプライチェーンのビジネスパートナー、ITシステム管理の委託先を含めたセキュリティ対策が必要

  (3)平時及び緊急時のいずれにおいても、サイバーセキュリティリスクや対策、対応に係る情報の開示など、関係者との適切なコミュニケーションが必要

 ■サイバーセキュリティ経営の重要10項目(サイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver 1.0【METI】)

  3.1.リーダーシップの表明と体制の構築

  3.3.リスクを踏まえた攻撃を防ぐための事前対策

  3.4.サイバー攻撃を受けた場合に備えた準備

 ■ サイバーセキュリティ経営チェックシート(サイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver 1.0【METI】)

  (1)サイバーセキュリティリスクの認識、組織全体での対応の策定

  (2)サイバーセキュリティリスク管理体制の構築

  (3)サイバーセキュリティリスクの把握と実現するセキュリティレベルを踏まえた目標と計画の策定

  (4)サイバーセキュリティ対策フレームワーク構築(PDCA)と対策の開示

  (5)系列企業や、サプライチェーンのビジネスパートナーを含めたサイバーセキュリティ対策の実施及び状況把握

  (6)サイバーセキュリティ対策のための資源(予算、人材等)確保

  (7)ITシステム管理の外部委託範囲の特定と当該委託先のサイバーセキュリティ確保

  (8)情報共有活動への参加を通じた攻撃情報の入手とその有効活用のための環境整備

  (9)緊急時の対応体制(緊急連絡先や初動対応マニュアル、CSIRT)の整備、定期的かつ実践的な演習の実施

  (10) 被害発覚後の通知先や開示が必要な情報の把握、経営者による説明のための準備

■個人向け

 ■インターネットを安全に利用するための情報セキュリティ対策9か条 【NISC・IPA】

  OS やソフトウェアは常に最新の状態にしておこう

  パスワードは貴重品のように管理しよう

  ログインID・パスワード絶対教えない用心深さ

  身に覚えのない添付ファイルは開かない

  ウイルス対策ソフトを導入しよう

  ネットショッピングでは信頼できるお店を選ぼう

  大切な情報は失う前に複製しよう

  外出先では紛失・盗難に注意しよう

  困ったときはひとりで悩まず まず相談

 ■初心者の3原則【総務省

  原則1 ソフトウェアの更新

  原則2 ウイルス対策ソフト(ウイルス対策サービス)の導入

  原則3 IDとパスワードの適切な管理

■事例・トッピクス

 ■中小企業における組織的な情報セキュリティ対策ガイドライン事例集【IPA】

  Case 1. 従業員の情報持ち出し

  Case 2. 退職者の情報持ち出し、競合他社への就職

  Case 3. 従業員による私物PCの業務利用と Winnyの利用による業務情報の漏洩事故

  Case 4. ホームページへの不正アクセス

  Case 5. 無許可の外部サービスの利用

  Case 6. 委託した先からの情報漏えい

  Case 7. 在庫管理システム障害の発生

  Case 8. 無線LANのパスワードのいい加減な管理

  Case 9. IT管理者の不在

  Case 10. 電子メール経由でのウイルス感染

 ■最近の主な出来事(情報セキュリティ白書2016より)

  標的型攻撃により日本年金機構から個人情報が流出

  インターネットバンキングの不正送金、被害額は過去最悪を更新

  オンライン詐欺・脅迫被害が拡大

  広く普及しているソフトウェアの脆弱性が今年も問題に

  DDoS攻撃の被害が拡大、IoT端末が狙われる

  重要インフラへの攻撃と重要インフラのセキュリティを強化する国内の取り組み

  法改正による政府機関のセキュリティ強化

  企業のセキュリティ強化に経営層の参画が重要

  セキュリティ人材育成への取り組み

  自動車・IoTのセキュリティ脅威が高まる

 ■情報セキュリティ 10 大脅威(組織)【IPA】

  標的型攻撃による情報流出

  内部不正による情報漏えいとそれに伴う業務停止

  ウェブサービスからの個人情報の搾取

  サービス妨害攻撃によるサービスの停止

  踏み台にならないため、利用している機器も含めて管理

  ウェブサイトの改ざん

  脆弱性対策情報の公開に伴い公知となる脆弱性の悪用増加

  ランサムウェアを使った詐欺・恐喝

  インターネットバンキングやクレジットカード情報の不正利用

  ウェブサービスへの不正ログイン

  過失による情報漏えい